側弯症の一般的な治療法には
①経過観察
②装具療法
③手術療法
以上があります。
治療は側弯の状態や年齢などを考慮の上に経過観察、装具治療、手術治療を行います。
側湾の状態(Cobb角)による治療法の目安ですが、以下が一般的な目安とされています。
Cobb角25°未満 : 経過観察
〃 25°以上 : 装具療法の適応
胸椎カーブ45~50°: 手術適応
腰椎カーブ40°以上: 手術適応
*以上はあくまでも目安ですが、10°台などの範囲であっても運動療法や修正を意識した習慣などは、早めに対処しておくことに越したことはありません。
では一般的な治療法についてもう少し詳しく見てみましょう。
①経過観察
成長期で側弯が25°未満の場合は、定期的なX線検査などの診察を専門医によって受けることが大切です。
②装具療法
一般的に側弯が20°~45°の中等度の場合、進行防止のために装具治療を行います。側弯の改善、進行の予防や速度を緩めることが目的で、理想的には1日23時間、最低でも1日18時間は装着することが必要で、装着時間が長いほど効果があります。成長が止まり、骨が成熟し進行もなければ、徐々に装具装着時間を減らし、装具療法を終了します。
③手術療法
重度の側弯の場合、進行の防止や矯正のために手術療法を用います。
その他の目的としては心臓、肺機能の確保などもあげられます。
現在では適切な予防や対処も行われ、手術治療の安全性が向上しています。
以上が一般的な治療法となります。
*当院の治療法
側弯になると多くの方が病院に行かれます。それによって一般的な治療法は①~③になるのが現状です。
特に①の検査、③の手術などは西洋医学の優れている部分でもあり、無くてはならないところです。
背骨は木で言うと幹にあたり、とても重要な部分であり身体全体に栄養や脳からの命令を送る大事なバイパスでもあります。
そのバイパスの物理的な変化による障害を止めるためなのか、一部分に負荷がかかる弱さから守るためなのか解りませんが、周りの筋肉などを固めて太い一本の幹を作ろうとします。しかし硬いということは東洋医学的にも気血の流れも悪くなり、いろいろな障害も出てき易くなります。
当院では西洋医学の良さを認めつつ、並行して側弯治療をお勧めしております。
まずは気血の巡っていない背骨を少しずつ気血を巡らし、硬いところを少しだけ緩める治療と並行して、良くない生活習慣を本人主導で改善できるよう指導いたします。
その後、身体の剛性を見極めつつ、少しずつですが身体に無理が起きないように矯正と運動療法でより良い癖と修正を加えていきます。ただボキボキ鳴らしたり、無理やりの修正は行いません。併用して鍼と灸も行いますが、抵抗のある方はご相談ください。
基本的には身体が生命として自ら正しい方向へ行くようにするつもりです。
花に適度に水を与え、自ら太陽に向かってすくすく育つ、そういった感覚に近いように感じます。
簡単にわかりやすく要約しましたが、実際は根気と時間を要します。しかし段々と良さを実感していただけると思います。
前回の「脊柱側弯症による影響 ②」でも述べましたが、私自身が漏斗胸のために背骨が固まり姿勢も悪かったのですが、当時の整体の師匠の治療により姿勢も綺麗になり健康を徐々に実感しました。
この機会に側弯だけでなく、背骨に違和感(背中の異常な張り)がある方や姿勢の悪い方などは側弯治療をお試しください。
お互いに良い出会いになることを願っております。
はり・きゅう 流風治療院